仕事について
安曇野を見下ろす木立の中に「家具工房 かがりや」はあります。 日々、四季の移り変わりを肌で感じながら、作品を制作しています。 主に制作する作品は、和箪笥(Tansu)、階段箪笥(StepTansu)、水屋箪笥(Cupboard)等の和家具、 李朝風のデザインの作品、李朝風飾り棚(Korean-style Display Shelf)、李朝膳(Korean-style Table)、李朝風薬箪笥(Korean-style Medicine Tansu)、等 また、ダイニングテーブル、椅子、本棚、仏壇なども制作します。 注文を頂いてから制作する一品制作です。 お客様の希望を伺い、何度か、図面で打ち合わせをし、話し合い、時には、家具を置く環境を拝見させて頂き、その後制作に入ります。 そのため出来上がるまでに、お時間を頂くことになります。 材料の木材は、主に日本国内の木を使います。 日本の木は、はっきりした四季の変化の中に育ち、木目が美しく、 また、強靱です。
木の下準備 材料の木の下準備には、充分時間をかけています。 それは、風雨に晒される山に育った木を、出来るだけ、慌てずに、我々の生活環境に馴染ませたいからです。 この下準備を疎かにすると後で家具の不具合の原因にもなります。 木材は、丸太で買い、製材をし、少なくとも3年は、屋外で乾燥させます。 急激に人工的な乾燥はせず、自然な状態で乾燥させます。 ここで、木が自然にねじ曲がろうとしたりする動きをある程度まで見とどけ、落ち着いた頃、屋根の下に移し、保管します。 木取り 作るものが決まったら、その準備しておいた木の中から材料を選びます。 使われる方の希望、家具を置かれる周りとの調和を考慮し、木を選びます。 そして、大まかに寸法を取る「木取り」を行います。 次に、その材料を、実際に使う室内の環境に馴染ませることが必要です。 暫く、室内にその材料を置き、木の状態を整えます。 その時、使われる方それぞれの生活環境に合わせ、木の乾燥具合を調整します。 頃合を見て、初めて制作する寸法にカットします。 ここで、やっと、家具の部材が出来る事になります。 組み立て 次に部材を組み立てます。 木材同士の接合には、手作業による「組み手」(connection joint)と言う 技術を使い、鉄の釘で繋ぐことはしません。 この「組み手」の美しさが、私の作品の一つの特徴です。 引き出し部分は、自分で作った「木釘」(wooden nail)で繋ぎます。 仕上げ 木の表面の最後の仕上げには、一つ一つ、手で鉋をかけていきます。サンドペーパーは、使いません。 サンドペーパーによる仕上げは、木の表面を細かく荒らしてしまい、木を保護しません。 この「手による鉋仕上げ」は、木の繊維の向きを一つ一つ見てかけるため、木の表面を保護し、年月が経つ毎に、作品を味わいあるものに仕上げます。 そして、漆を塗り仕上げます。(一部オイル仕上げのものもございます。) 漆の塗りは、専門の方にお願いします。 金具作り 最後に、デザインのアクセントである「金具」「取っ手」は、 塗り上がった作品を見て、全体のバランスを見ながら、一番後に自分で制作します。 これも、かなりの時間を要する仕事になります。 お手入れについて
家具の日常のお手入れは、乾いた布で拭いてください。 汚れた時は、金具の部分を除いて堅く絞った布巾で拭いてください。 金具は、湿気か残りますとサビの原因となりますので、お気をつけ下さい。 家具の置き場所についてですが、 直射日光の当たる場所、ヒーター、エアーコンディショナーの風が直接あたる場所、には置かないでください。 できましたら、家具のあるお部屋の湿度は50%あたりを保てるように心がけてください。 家具のコンディションを保つために、直射日光、エアコンなどの直風、高すぎたり低すぎたりする湿度は避けるようにお願いします。
木工の工程から、金具作りまでを、一人の手作業で仕上げます。 又、漆をお願いしている職人の方も私の仕事の流れを途切れさせない気配りをしてくださるので、一つの流れを感じる作品に出来上がっていると思います。 無垢の木を使った家具は、無垢の木の持つ特徴上、周りの気候の変化に作用されるものです。 木の組み立てに使う「組み手」の技術は、釘での接合のように木の動きを部分で止めるのでなく、家具全体が、一つとして動くように支えます。 これは、湿りけの多い梅雨や、乾燥した冬を繰り返す日本の風土の中で育った 技術と言えると思います。 この用と美を備えた形を皆さんに御紹介したいと思います。2011年3月 白川武司
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